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瀬戸内寂聴、ショーケンを語る


「群像」2019年6月号、連載随筆「その日まで」第九回、瀬戸内寂聴。
以下、本文より抜粋。



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196-198p
「(略)その逃亡者は風のように軽々とす速く入ってきた。(略)
おとこの顔は透きとおるように蒼く、たった今、水底から引きあげられたばかりの人のように見えた。
おとこのしなやかな長身にまつわりつく葉洩陽の光りの玉が、(略)
雫のように見える。
 目を伏せたままのおとこは、(略)私の視線に、まだ気がつかない。(略)
 数時間前、テレビの画面の記者会見で見た顔より、憔悴した顔がしまり、疲れの滲んだ顔に(略)
痛々しさを誘う。
屋島からひとり逃れ、那智の沖で入水する維盛を、唐突に連想しながら、
私はおとこのやつれた美しさに、一瞬気をのまれていた。(略)
 おとこは歌手で、俳優の萩原健一だった。
ショーケンと呼ばれるそのおとこが、私の庵に来たのはこれで二度目だ。
最初は三年ほど前、婦人雑誌の対談で、婦人記者に伴われて来た。(略)
対談の後味は悪くなく、引き受けたことを後悔もしていなかった。
 三十歳にまだ二年の間があったその日のショーケンは、(略)
無疵な李朝の壺にでもむきあっているような、(略)一種のもの哀しさを、(略)持っていた。」
199p
「 その時、ショーケンが私に与えたこの世ならぬ妖しさが、(略)
察しられたのは、ショーケンの逮捕事件がおこった後のことだった。」
「『センセ、わかりますか、萩原です。』(略)」
200p
「 そのころ、ショーケンがよく人に、アナキストで関東大震災の時、妻の野枝と憲兵隊に殺された大杉栄を、演りたいと話しているという噂が、伝わってきた。大杉栄のことは、あの対談のとき、最も時間をかけて、私が彼に話したことだった。
『ぼくは、(略)本が読めないんです。でも女房がセンセの本のファンで、ずいぶん読んでいます』」
「 (略)私はふと、このおとこがフリーラブの理論に足をすくわれ、日蔭茶屋で、神近市子に刺されて死にかけた大杉栄を演じたなら、適役だろうという想像がひらめいた。」

201p
「 一度だけ、私の短篇小説をテレビで扱った時、美人の大女優の演じる年上の女の、若い情人役になったショーケンが、台本にもない(略)
場面をつくり、(略)その場面が思いがけない説得力を見せ、好評だったことがあった。」
202p
「 誰が何と言おうともショーケンは天才の一人だと私は信じている。(略)
私は、本当の天才や、偽天才の多くに会ってきた。本当の天才は孤独といういばらの冠を自分の知らない間に頭に戴いている。その冠をかぶったまま、あの世に帰っていく。」
 
今後もショーケンのことを書く作家諸氏はいるだろうが、
維盛や大杉栄を引き合いに出して表現する方はいないだろう。
吉永小百合主演の、与謝野晶子を描いた映画で、大杉栄の妻の伊藤野枝を石田えりが演じて、評判が良かった。
ショーケンの華やかな恋愛遍歴のなかに、彼女の噂もあったと記憶する。
与謝野晶子にほのかな恋愛感情を抱く有島武郎を演じたのがショーケンの盟友、松田優作であった。

ショーケンは、「センセ、脚本を書いて」といったお願いをしていたのだろうか。
結局、彼が大杉栄を演じることがなかったのを、瀬戸内氏は残念に思っているのかもしれない。

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by stefanlily | 2019-07-01 17:14 | 映画、movie | Comments(0)