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死の貌 三島由紀夫の真実
西法太郎の「死の貌(かたち) 三島由紀夫の真実」を読んだ。論創社。
以下、目次より抜粋。
http://ronso.co.jp/book/%E6%AD%BB%E3%81%AE%E8%B2%8C/
「第1章 辛苦―処女作「花ざかりの森」 第2章 相克―「眠れる美女」の迷宮界 第3章 瞋恚―市ヶ谷に果てたもの
第4章 脱自―セバスチャンの裸体像」
以下、本文より抜粋。
「はじめに
作家が最期を遂げたのは私が中学生のときだった。友人が(略)グラフ誌を取り出し押し開いた。
そこには床に置かれた作家の頭部が写っていた。
作家の四部作を手にしたのは高校生のときだった。(略)
読めない字や難解な用語を辞書で引き引き読みおえた。(略)
作家の全集が月命日に一巻また一巻と出だした。
高校生には高価で市の図書館で借り出すしかなかった。(略)
作家の作品を読み返しはじめたのはその享年にいたったころだった。」
57-59p
「 第二章 相克-『眠れる美女』の迷宮界」の「ノーベル賞記念対談」より。
「(略)三島発言を含むテレビ番組の収録は、川端受賞が伝えられた翌日の昭和四三年一〇月一八日、鎌倉長谷の川端邸の庭で行われた。(略)
そして司会役として伊藤静が登場した。(略)
伊藤が三島を君付けで呼び、しかも“ミウラ君”と言い間違えてもいたのだ。君付けもせず、“あんた”とも呼んでいた。文壇内での序列を反映していたのだろうが、(略)『このたびのご受賞は、(略)川端さんのよろこびであり』と、揉み手をせんばかりに鞠躬如としていた。
伊藤の本音の川端観は臼井吉見の『事故のてんまつ』にある。これについては後でふれる。
三島はへりくだることなく、堂々とした物言いで川端文学への評価を開陳していた。
(略)
川端
スウエーデンの新聞社の人が、『雪国、古都、千羽鶴とはこれから始まるようなところで終ってます』と言うね。
三島
やはり構成が、流れるような構成があると同時に、どこが始まりで終わりか分からない新しさというものに、西洋の人たちもだんだん目が覚めてきたんじゃないのかと思うんです。(略)」
73―75p 「『眠れる美女』三島代作説」より。
「 元編集者堤尭は『WILL』の連載のなかで、晩年の三島と川端の確執とともに昭和三六年に上梓された『眠れる美女』の三島代作説に言及している。高名な大作家の二人がそんなことをする必要も理由も見当がつかない、という声はある。(略)
この作品の三島代作説は文壇・出版界に根強く流布しているのだ。(略)」
「 川端の五十年来の親友、今東光は(略)
洋物の翻案だったのだろうとコメントしている。
当時(大正十年頃)は菊池寛のところが、デューマの小説株式会社みたいになっていてね。
川端とか横光(利一)とかを集めて、盛んに飜訳をやらせていたんだよ。英文、仏文、独文(中略)
丸善から本買ってきて読ませるんだ。(略)
あらすじを書いて寛に流す。寛がそれを二つ、三つ組み合わせて一本の通俗小説に仕立て上げるんだな。(略)
川端はだいぶやってるよ。
腕のあるヤツは代作もやらせられたんだよ。
当時は江戸時代からの伝統で、弟子が師匠のものを書くのに、なんの不思議もなかったんだな。(略)
横光が代作して当たっちゃってね。寛が自分の持ち馬の名前にした小説があったよ。(略)」
76p 「無名時代の覆面活動」より。
「 東京新聞のスクープから、無名時代の川端が菊地の作品作りの下働きをするような文学修業をしていたことがおおやけになった。」
三島代作説についても、川端や横光利一が菊池寛の代作をやっていたこともこの本を読んで初めて知った次第。
最近読んだ本のなかでは格段に面白く、三島由紀夫に興味が無い人にも面白く読める箇所が多々ある。
その一つが菊池寛の「弟子に洋物の翻案、代作のよって文学修業をさせていた」件である。
では、「真珠夫人」や「貞操問答」といった通俗小説だろうか、「デューマの小説株式会社」
「二つ、三つ組み合わせて一本の通俗小説に仕立て上げる」なのは!?
これを現代の作家や出版関係者は「パワハラ」というのかな…?
パワハラという表現に当たるとしても、現在の書店や公立の図書館では菊地寛の小説は華々しい場所で置かれてはいない(都会ではどうか知らないが、我が地元ではそう)ので、その報いらしきものは受けていると言えるのかも。
かなり本を読む人でも、文藝春秋の創立者、芥川賞直木賞の生みの親、であること等々、出版業界の大立て者であることも知らなかったりするしね。
菊池寛の小説はネット上でも「青空文庫」で読めるので、興味がある方はどの作品がデューマから翻案された通俗小説、なのかご確認を。