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ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟」
ドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」を読んだ。新潮文庫、原卓也訳。
以下、グーテンベルグのサイトより、原文の英訳。
The Project Gutenberg EBook of The Brothers Karamazov by Fyodor Dostoyevsky
「The Project Gutenberg EBook of The Brothers Karamazov by Fyodor Dostoyevsky
by Constance Garnett
Book III. The Sensualists
Chapter X. Both Together
(…)Agrafena Alexandrovna, my angel!” she cried suddenly to some one, peeping into the next room, “come in to us. This is a friend. This is Alyosha. He knows all about our affairs. Show yourself to him.”
(…) “So that you may be left to remember that you kissed my hand, but I didn't kiss yours.”
There was a sudden gleam in her eyes. She looked with awful intentness at Katerina Ivanovna.
“Insolent creature!” cried Katerina Ivanovna, as though suddenly [pg 166] grasping something. She flushed all over and leapt up from her seat.
(…)
“Go away! You're a creature for sale!” screamed Katerina Ivanovna. Every feature was working in her utterly distorted face.
“For sale indeed! You used to visit gentlemen in the dusk for money once; you brought your beauty for sale. You see, I know.”
Katerina Ivanovna shrieked, and would have rushed at her, but Alyosha held her with all his strength.」
以下、同じ個所の和訳。
364-376P
「第三章 好色な男たち
一〇 女二人が
(略)
「『 (略)アグラフェーナ・アレクサンドロヴナ(訳注 グルーシェニカの正式な名前)!』だしぬけに彼女は隣の部屋をふりかえって、だれかに叫んだ。
『いらっしゃいな、かわいい人がいらしてますわ、アリョーシャさんよ。あたくしたちのことを、すっかりご存じなの、お顔を見せてあげて!』
『お声のかかるのを、カーテンのかげでひたすら待ちわびてましたわ』やさしい、いくらか甘たるい女の声がひびいた。
(略)『このことをよく憶えておいてくださいね、お嬢さまはあたしの手にキスなさったけど、あたしはしなかったんですから』ふいに彼女の目に何かが光った。
彼女は恐ろしくまじまじとカテリーナを見つめた。
『失礼な!』突然何かをさとったように、だしぬけにカテリーナが口走り、顔を真っ赤にして、席を立った。
グルーシェニカはゆっくりと立ちあがった。
『あなたがあたしの手にキスなさったのに、あたしは全然しなかったってことを、さっそくドミートリィさんにも伝えますわ。
あの人、さぞ笑うことでしょうね!』
『恥知らず、出て行け!』
『まあ、恥ずかしくございませんこと、お嬢さま、恥ずかしくございませんの、あんまりはしたないじゃありませんか、そんな言葉を口になさるなんて、お嬢さま』
『出て行くがいい、淫売!』カテリーナがわめきたてた。
まったく引きゆがんだその顔の、線という線がふるえていた。
『淫売で結構ですわ。
自分だって、若い娘の身でお金目当てに男のところに夕方忍んでいらしたくせに。自分の美しさを売りにいらしたんでしょう、あたし知ってますのよ』
カテリーナは叫び声をあげて、とびかかろうとしかけたが、アリョーシャがありたけの力で押しとどめた。
『相手になっちゃいけません! 話しちゃだめです、何も答えないで。この人はもう帰ります、今帰りますから!』」
以前に読もうとして挫折した作品である。
最近になって「罪と罰」の江川卓訳版を読んでとても良かったので、「白痴」などの長篇にも挑戦。
満を持して?、カラマーゾフに再挑戦、というわけである。
米川正夫訳を図書館から借りたのだが、1920年代と版が古く、触るのも怖いという有様。仕方なく返却して新潮文庫を借りてきた。
ところが、米川訳が素晴らしいのである。
原卓也訳はややカジュアルな印象。成り上がり貴族(フォークナーがドストエフスキーに影響されているらしい)の父親を始めとするカラマーゾフ一家と周辺の貴族女性や召使たちなど、彼らの性格描写や話し方は、米川訳のほうが格調高いのだ。江川卓訳の「罪と罰」は、ラスコーリニコフの性格が、A・シリトーやサリンジャーの主人公たちの前身、といった趣でこれまた合っているのである。
長男のドミートリエフはダメ男だが、女にもてる。萩原健一だな。
冷徹で頭の切れる次男のイワンは田宮二郎。純粋で、真っ直ぐな、聖職を目指すアリョーシャは加藤剛。
父親のフョードルは勝新太郎。カテリーナは中野良子。彼女はショーケンと「八つ墓村」で共演している。
アグラーヤは石田えり。リザベータは(子役時代の)杉田かおる。ゾシマ長老は加藤嘉。
スメルジャーシチャは緑魔子。
スメルジャコフは黒沢年男(「日本の一番長い日」で狂気の軍人を演じて、凄かったそうだ)。グリゴーリィとマルファ夫妻は殿山泰次、乙羽信子。
監督は黒澤明、脚本は新藤兼人。キャメラをラウル・クタール。音楽はニーノ・ロータ。
などと、妄想キャスティング。年齢が逆になっているが、長男はショーケンしかいない!それぞれ、20代~40代の彼らで脳内再生している。
亀山郁夫氏の「超訳」の「カラマーゾフの兄弟」は問題作であるという。私は超訳の意味を取り違えていた。既訳に誤訳が多いから、完全な訳に取り組んだ、といった意味にとっていた。
ところが違うらしい。「カラマーゾフの兄弟」は地元の図書館では、海外文学に珍しく貸し出し中であった。
いくつかあるので、借りられていない物を探していたら亀山訳があった。なぜか日本文学の棚に。
ページをめくってその意味が分かった。
登場人物、舞台設定、時代がなぜか日本の現代に置き換えられている。猫が登場するというのは原作には(上、中巻しか読んでいないが)無い設定である。
ある施設の名前を見て、もうこれは読めないと思った。
亀山氏は、黒岩涙香がユーゴーやデユマの作品を基に、日本向けに書き換えた作品のようにしている…としか思えない。これは必要なことだったのか?
吉田鋼太郎、斉藤工、市原隼人、林遣人が主演したドラマは亀山訳を基にしたのであろうか。
Yul Brynner,Maria Schell,Claire Bloom というキャストはなかなかですね。
メインの話に行き着くまで誰が誰の息子でその息子がどうで、という書き方は新約聖書ですかな。結局。
以下、グーテンベルグのサイトより、原文の英訳。
The Project Gutenberg EBook of The Brothers Karamazov by Fyodor Dostoyevsky
Translated Dostoyevsky by Constance Garnett
http://www.gutenberg.org/files/28054/28054-h/28054-h.html
以下、原文より抜粋。
「The Project Gutenberg EBook of The Brothers Karamazov by Fyodor Dostoyevsky
by Constance Garnett
Book III. The Sensualists
Chapter X. Both Together
(…)Agrafena Alexandrovna, my angel!” she cried suddenly to some one, peeping into the next room, “come in to us. This is a friend. This is Alyosha. He knows all about our affairs. Show yourself to him.”
(…) “So that you may be left to remember that you kissed my hand, but I didn't kiss yours.”
There was a sudden gleam in her eyes. She looked with awful intentness at Katerina Ivanovna.
“Insolent creature!” cried Katerina Ivanovna, as though suddenly [pg 166] grasping something. She flushed all over and leapt up from her seat.
(…)
“Go away! You're a creature for sale!” screamed Katerina Ivanovna. Every feature was working in her utterly distorted face.
“For sale indeed! You used to visit gentlemen in the dusk for money once; you brought your beauty for sale. You see, I know.”
Katerina Ivanovna shrieked, and would have rushed at her, but Alyosha held her with all his strength.」
以下、同じ個所の和訳。
364-376P
「第三章 好色な男たち
一〇 女二人が
(略)
「『 (略)アグラフェーナ・アレクサンドロヴナ(訳注 グルーシェニカの正式な名前)!』だしぬけに彼女は隣の部屋をふりかえって、だれかに叫んだ。
『いらっしゃいな、かわいい人がいらしてますわ、アリョーシャさんよ。あたくしたちのことを、すっかりご存じなの、お顔を見せてあげて!』
『お声のかかるのを、カーテンのかげでひたすら待ちわびてましたわ』やさしい、いくらか甘たるい女の声がひびいた。
(略)『このことをよく憶えておいてくださいね、お嬢さまはあたしの手にキスなさったけど、あたしはしなかったんですから』ふいに彼女の目に何かが光った。
彼女は恐ろしくまじまじとカテリーナを見つめた。
『失礼な!』突然何かをさとったように、だしぬけにカテリーナが口走り、顔を真っ赤にして、席を立った。
グルーシェニカはゆっくりと立ちあがった。
『あなたがあたしの手にキスなさったのに、あたしは全然しなかったってことを、さっそくドミートリィさんにも伝えますわ。
あの人、さぞ笑うことでしょうね!』
『恥知らず、出て行け!』
『まあ、恥ずかしくございませんこと、お嬢さま、恥ずかしくございませんの、あんまりはしたないじゃありませんか、そんな言葉を口になさるなんて、お嬢さま』
『出て行くがいい、淫売!』カテリーナがわめきたてた。
まったく引きゆがんだその顔の、線という線がふるえていた。
『淫売で結構ですわ。
自分だって、若い娘の身でお金目当てに男のところに夕方忍んでいらしたくせに。自分の美しさを売りにいらしたんでしょう、あたし知ってますのよ』
カテリーナは叫び声をあげて、とびかかろうとしかけたが、アリョーシャがありたけの力で押しとどめた。
『相手になっちゃいけません! 話しちゃだめです、何も答えないで。この人はもう帰ります、今帰りますから!』」
以前に読もうとして挫折した作品である。
最近になって「罪と罰」の江川卓訳版を読んでとても良かったので、「白痴」などの長篇にも挑戦。
満を持して?、カラマーゾフに再挑戦、というわけである。
米川正夫訳を図書館から借りたのだが、1920年代と版が古く、触るのも怖いという有様。仕方なく返却して新潮文庫を借りてきた。
ところが、米川訳が素晴らしいのである。
原卓也訳はややカジュアルな印象。成り上がり貴族(フォークナーがドストエフスキーに影響されているらしい)の父親を始めとするカラマーゾフ一家と周辺の貴族女性や召使たちなど、彼らの性格描写や話し方は、米川訳のほうが格調高いのだ。江川卓訳の「罪と罰」は、ラスコーリニコフの性格が、A・シリトーやサリンジャーの主人公たちの前身、といった趣でこれまた合っているのである。
長男のドミートリエフはダメ男だが、女にもてる。萩原健一だな。
冷徹で頭の切れる次男のイワンは田宮二郎。純粋で、真っ直ぐな、聖職を目指すアリョーシャは加藤剛。
父親のフョードルは勝新太郎。カテリーナは中野良子。彼女はショーケンと「八つ墓村」で共演している。
アグラーヤは石田えり。リザベータは(子役時代の)杉田かおる。ゾシマ長老は加藤嘉。
スメルジャーシチャは緑魔子。
スメルジャコフは黒沢年男(「日本の一番長い日」で狂気の軍人を演じて、凄かったそうだ)。グリゴーリィとマルファ夫妻は殿山泰次、乙羽信子。
監督は黒澤明、脚本は新藤兼人。キャメラをラウル・クタール。音楽はニーノ・ロータ。
などと、妄想キャスティング。年齢が逆になっているが、長男はショーケンしかいない!それぞれ、20代~40代の彼らで脳内再生している。
亀山郁夫氏の「超訳」の「カラマーゾフの兄弟」は問題作であるという。私は超訳の意味を取り違えていた。既訳に誤訳が多いから、完全な訳に取り組んだ、といった意味にとっていた。
ところが違うらしい。「カラマーゾフの兄弟」は地元の図書館では、海外文学に珍しく貸し出し中であった。
いくつかあるので、借りられていない物を探していたら亀山訳があった。なぜか日本文学の棚に。
ページをめくってその意味が分かった。
登場人物、舞台設定、時代がなぜか日本の現代に置き換えられている。猫が登場するというのは原作には(上、中巻しか読んでいないが)無い設定である。
ある施設の名前を見て、もうこれは読めないと思った。
亀山氏は、黒岩涙香がユーゴーやデユマの作品を基に、日本向けに書き換えた作品のようにしている…としか思えない。これは必要なことだったのか?
吉田鋼太郎、斉藤工、市原隼人、林遣人が主演したドラマは亀山訳を基にしたのであろうか。
Yul Brynner,Maria Schell,Claire Bloom というキャストはなかなかですね。
メインの話に行き着くまで誰が誰の息子でその息子がどうで、という書き方は新約聖書ですかな。結局。
by stefanlily
| 2017-11-10 16:34
| 文学、books(海外)
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