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吉村昭「私の好きな悪い癖」

吉村昭「私の好きな悪い癖」を借りた。
以下、目次の抜粋。
吉村昭「私の好きな悪い癖」_e0295821_17151872.jpg





「―― 下町日暮里商家の生まれ ―― 私の写真館/師走の小旅行/楽屋と鶏卵/ぼんぼり/誤診と私/―― 私の小説作法 ――/早くてすみませんが……/短編小説の筆をとるまで/戦戦兢兢/資料の整理と保管 ―― にが笑いの記憶 ――/卯年生まれ/結婚披露宴/隠居というもの/食品売場/―― 史実を極める―― 「関東大震災」の証言者たち/歴史を見た男を訪ねて/外洋に未知の世界が/一人の漂流民のこと/十三歳船乗りの数奇な運命/文化の城――図書館/―― 旅と一献 ―― /百円硬貨の町/長崎と私/悪い癖/『銀座復興』の思い出/大阪の夜/―― 心に残る人々 ―― /青山斎場/凛とした世界/『日本医科伝』と岩本さん/―― 講演 ―― 尾崎方哉と小豆島/―― あとがき ――」
 以下、「百円硬貨の町」より、抜粋。
まずは冒頭部分。
「 初めて長崎に行ったのは三十年前で、夜行列車で朝、長崎駅につき、三菱重工長崎造船所に行った。
 目的は、小説『戦艦武蔵』を書くための調査で、『武蔵』は、昭和十三年にその造船所で起工し、(略)
 私は無名の小説家であったが、造船所では、『武蔵』建造にかかわった多くの技師その他を紹介してくれて、
(略)
 長崎は、江戸時代、西欧文明の唯一の導入地であったので、その後、歴史小説の資料をもとめて訪れることを繰返している。」
「 第一の魅力は、人情である。
ハタ(凧)の職人の仕事場を見てみたいと思い、タクシーに乗った。その家を正確には知らぬ運転手さんは、(略)乾物店の店先にいた店主にたずねている。(略)
 私は、呆気にとられた。道を教えるのにスクーターを走らせる人がいるとは。(略)長崎に数多く訪れている私は、それに類したことをしばしば体験している。」
 同感である。県立図書館を訪ねようと思い、うろうろしていたら、銀行(これも古い素敵な建物)の敷地内を掃除していた男性が「何ですか!?」と気にかけてくれた。
「 江戸時代の中期以後、西欧文明の知識吸収のため医家をはじめとした多くの人が全国から長崎に集まってきた。長崎の人たちはそれを受け入れたが、それが外来者に対する寛容さとなって現在にまで至っているのであろう。(略)
 時には市電に乗るが、料金が百円で、しかも乗りつぎも出来る。百円硬貨がまことに貴重なものに感じられる。」
 関東から市電に憧れて就職した人がいるという話をきいたことがある。運転中、ずっとDJポリスならぬDJ市電運転手といったようなトークをしてくださる方に一度遭遇したが、もしやその方であろうか。
 そして、吉村昭氏は食べ物も絶賛する。
「 ヨーロッパと中国の料理法が入ってきて、それがカステラなどや中国料理となっている。昼食には皿うどん、ちゃんぽんを食べるが、十数店を試食して歩きまわり、今では或る店に落着いた。それらを口にする時、なんといううまさだ、と陶然とする。」
 長崎の中華料理は私にはやや甘口に感じる。砂糖が貴重品だった頃にふんだんに入ってきていた影響だろうか、砂糖を贅沢に使っているのかも。
洋菓子和菓子の専門店や珈琲店も多い。スタバなどのチェーン店が長崎市には乱立してほしくない。
「 三十年の間に多くの知己を得たが、亡くなった方が多い。(略)長崎に行くたびに会った元図書館長や古書店主もすでに亡い。」
そのお二人のことが盛んに吉村昭氏のエッセイに登場する。氏は、長崎県立図書館に特に、多く訪ねているという。切支丹ものを多く書いた遠藤周作氏以外でそのような作家がおられたとは、驚きだ。
県立図書館はあと数年で移転するそうである。既に亡い吉村昭氏が知ったら、寂しがられるだろうな…
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by stefanlily | 2014-09-26 17:10 | 文学、books