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室生犀星集「童子」

東雅夫が編者である文豪怪談傑作選のうち、「室生犀星集『童子』」を借りた。2008年9月にちくま文庫より、第一刷が出ている。
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以下、「三階の家」より、抜粋。まずは冒頭部分。
「 三階の家は坂の中程にあった。向う側は古い禅寺の杉の立木が道路の上へ覆いかかり、煉瓦造りの便所の上まで枝を垂れていた。こんな坂の中途に便所がどうして建っているのか。一寸不思議な気がする、――その便所の廂へ瓦斯燈がさびしく点れていた。」
「 H新聞の松岡は一人暮らしで朝おそく起きると、すぐ内職の木炭画の肖像写真を描くのだったが、職掌柄、師団の方の戦死将校の肖像を引受けていて、部屋じゅう肖像画だらけであった。北側のうすぐらい部屋の中に生白い戦死将校の引延ばしの肖像画が架けられて、留守中に這入った造花屋の主婦は、慌てて部屋を出た程であった。」
「夕方おそく駅の人力車に乗った女客が、造花屋の店さきに下りたが、主婦は女客の顔色が汽車に揺られた疲れと度端れの昂奮との為めにがちがち顫える指さきを見た。(略)
 主婦はそう言っておどおどしている女客の浅ぐろい顔を見たが、(略)その容子では決してすれっからしの女でないことや、(略)直覚的に松岡と関係のある女だと思ったが、松岡が越して来てから四ヶ月くらいしか経たなかったので、主婦は何か解ったような気がした。(略)女客は低い声でこたえた。
『すこし事情がございまして、何でございます……』
『はあ、……』 
主婦は松岡の部屋の戸をあけた。書きかけの肖像画が気味わるく四方の壁に架けられていた。
(略)
女客はぽかんと坐りながら気ぬけのしたような格好で、見るともなく肖像画に見入っていたが、何時の間にかしくしく泣き出していた。そして永い間、坐ったままでいた。」
「 松岡正は入口で女のことを聞いたものらしく、(略)女は黙ってうつ向いているだけだった。松岡は明らかな不愉快さを表情にうかべると、表の障子を勢よく、あまりに勢よく開けたのだった。
(略)それは一生懸命にうつ向いているようであった。(略)煙草をくわえたまま、ひどく高びしゃな調子で突っかかった。
『何時来た?』
 女はうなじをぴりとうごかした。そして漸と顔を擡げると、ひどく感動して声の出ない掠れた声音で言った。
『三十分ほどさきに参ったのでございます。』」
 わけありの男と女の関係が、どちらが優位に立っているかは読めばすぐに分かる。緊張感の漂う描写が素晴らしい。
松本清張の短編で「二階」という傑作があるが、この作品とは全く似てはいないが、もし清張が犀星のこの作品を好きだったら面白いな、と思う。
「香爐を盗む」より、抜粋。
「 女は日に日に瘠せるばかりで、どういうときにも音というものを立てなかった。すうと襖をあけたり、猫のような柔らかい足つきで畳の上を辷ったり、深く睡りこんでいるように押入と障子との隅にぺたんこに坐り込んで、いつまでも黙っていたり、そうかと思うと何か洗濯ものをしながら、盥のそばにかじりついていたりした。」
「 男の顔をまじまじと見たが、すっと音のしないように立って自分の室へ行った。変な女だ。猫のように音をたてない。上目してじっと見つめられると、何も彼も写真に撮ったように知った顔をするのだ。男はそう思っているうちにうとうととした。」
「 女はわざと男のかおを覗き込むように、猫のように狎れた一瞬間の微笑をうかべると、すぐに座敷からでて行った。あし音が長い廊下から消えた。」
最初の二つの文と三つ目の文の「女」は別の人物だ。前者が主人公の男の妻で、後者が玄人の女性。
裏表紙の紹介文よし、抜粋。
「金魚の少女と『をぢさま』の妖美な交歓を描いた名作『蜜のあはれ』で、新世代の読者を瞠目せしめた室生犀星の文学には、森茉莉をはじめとする熱烈な信奉者も多い。」
森茉莉といえば、犀星や三島由紀夫が亡くなった時、これで自分を評価する人がいなくなった、どうしようといったような彼女らしい可愛らしい身勝手な追悼文を読んだことがある。
室生犀星の「愛猫抄」を以前、地元の図書館から別の図書館に依頼して借りて貰った。おそらく絶版であろうと思われる。
 東雅夫の編んだちくま文庫は他にも森鴎外、泉鏡花、柳田國男、小川未明、川端康成、三島由紀夫もある。
小川未明の「赤いろうそくと人魚」は子供の頃、読んだ記憶が鮮烈だ。
どうかディズニー映画の「人魚姫」のような、いまどきのフエミニズム臭ぷんぷんの改悪版など、絶対出さないで下さいね、各出版社様!
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by stefanlily | 2014-07-28 16:22 | 文学、books