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Cアルレー「わらの女」

カトリーヌ・アルレーの「わらの女」を借りた。創元推理文庫。安堂信也訳。
「ミステリ史上に燦然と輝く傑作」と言われる本書を何で今更、なのであるが。





以前岩下志麻さんがこのヒロインを演じたい、とインタビューで言っておられたのが印象に残っている。
文庫の表紙をめくって一頁目の紹介文より、抜粋。
「ハンブルクで翻訳の仕事をする聡明なドイツ人女性、ヒルデガルデ、三十四歳独身。
彼女はいつの日か、幸運をもたらす結婚を、と新聞の求縁広告を虎視眈々とチェックする日々を送っていた。〈当方、莫大ナ資産アリ、良縁求ム。ナルベクはんぶるく出身ノ未婚ノ方……。家族係累ナク……〉
これがすべての始まりだった。」

1956年に発表されている。読んでみて思ったのが、この作品に影響を受けた日本の小説やTVドラマがたくさんあるのでは、ということだ。すぐ思いついたのが松本清張の「けものみち」である。

本文より、抜粋。
「彼女は、身をこごめて、牛乳瓶の上に、落ちないようにうまく置いてあった週刊新聞を取り上げると、ドアをしめ、スリッパをひっかけ、台所へはいった。食器棚の上のラジオのスイッチをひねり、籠の中からパンを取り上げて、二枚切り取ると、トースターの電源を入れてセットし、牛乳を火にかけた。そしてポケットから櫛を取り出し、鏡の前で髪をとかした。」
冒頭に近いこの場面はハードボイルドな女、といった描写で、ハリウッドならばジーナ・ローランズかキャスリーン・ターナー、フランスならばジャンヌ・モローかカトリーヌ・ドヌーヴだろう。
しかし…美しくしたたかな女優達を当てはめた私の想像は裏切られるのだ。

「 そして、この妙な話では、新聞広告の中でも、たった一つ、ある言葉が書かれていなかったのに、ヒルデガルデが気がついたのは、ずっと後になってからだった。それは愛という言葉だった。」
「 それが信号になった。後ろのほうで、なんにも見えないあたりから、怒号が湧き起こった。(略)庶民の憎悪、日常生活の間に蓄積され、相手がなくてとまどっていた憎悪が、餌を見つけて、それにとびついたのだった。」

巻末の解説は新保博久。1985年の週刊文春の「東西ミステリベスト100」では23位、など6誌のランキングが紹介されている。年度は1971、1975、1985、1991、1999、2005年とバラバラ。
新保氏曰く「さすがに人気下降気味というか、あるいはよく持ち堪えていると見るべきか」
「しかし、なまなかな刺戟で読者が驚かなくなった現在、後半のどんでん返しよりもむしろ前半の小説の旨味のほうに価値が出てきた――(略)読んで今なお無条件に面白い小説だということは請け合おう。」
「 アメリカあたりの推理作家事典をひもといてもアルレーは登載されていないので、邦語の文献を見ると、その生年は一九二〇年、二四年、三五年と諸説ある。」
「第二作『わらの女』が二十歳の小娘に書けたとは、アイラ・レヴィンが二十三歳で『死の接吻』を物したという以上に信じ難い。」
「『わらの女』は諸外国に翻訳されてベストセラーになったが、『リーダーズ・ダイジェスト』の名著選集に再録されたさいは勧善懲悪に改訂されている。この点はバジル・ディアデン監督、ジーナ・ロロブリジダ、ショーン・コネリー主演で映画化されたさいも同様だ。」
それが本当ならば、映画版はともかく、リーダーズ・ダイジェストってそんな余計な事をする出版物だったのか。英語学習者が初心者向けに読む以外には利用しない方が良さそうだ。もっとも長い歴史に幕、といった報道が数年前にあったけれども。
 「この傑作に大きな論理的欠陥があるのを結城昌治が指摘した」とあるが、その件よりも私が気になったことがある。
第二次世界大戦終戦から十年ほどしか経過していない時代設定で、ドイツ、フランスとアメリカの関係、特に主要登場人物は三人がドイツ人であり、舞台はドイツ、南仏、船の上の旅を経て、ニューヨーク。
当時の三つの国、特に三国の人々の持つお互いの感情の複雑さについて、殆ど言及されていないことが気になる。もっとも、それを描写すればこんなに簡潔で面白い小説にはならなかったのかもしれないが。

 脚注※3より、抜粋。
「 完全犯罪の成就という点では、『わらの女』より一年早い一九五五年にアメリカのパトリシア・ハイスミスが『太陽がいっぱい(リプリー)』で先鞭をつけている。これまた当時の映画版(六〇年、ルネ・クレマン監督)では、(略)より多くの人々に開かれた映像は保守的でいけない。それはともかくトム・リプリーが主人公である『太陽がいっぱい』に対して『わらの女』の主人公ヒルデガルデの運命は同日には論じられない。」
 トム・リプリーとヒルデガルデの共通点らしきところといえば…
アラン・ドロンが演じたリプリーは、後年の映画で言うと「タクシー・ドライヴァー」のトラヴィスのように、ある目的に向かってまい進してゆく、たとえそれが悪い事であっても観ている(読んでいる)側は感情移入して応援してしまう。優れた映画や小説というのは、そういったものだ。
「わらの女」のヒルデガルデにも、そうした場面があった。
「わらの女」の映画版は未見だが、「太陽がいっぱい」は新保氏が「保守的」だと酷評なさっても、後続の映画に与えた影響は、原作の小説に負けず劣らず大きいはずだ。
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わらの女 【新版】 (創元推理文庫)

カトリーヌ・アルレー / 東京創元社


わらの女 (1964年) (創元推理文庫)

カトリーヌ・アルレー / 東京創元新社


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by stefanlily | 2014-06-01 15:48 | 文学、books(海外)