文学、音楽、映画、猫の写真


by stefanlily

プロフィールを見る
画像一覧

カテゴリ

全体
音楽、music
映画、movie
文学、books
野球、Baseball
猫関連、Cats
芸術、Art
猫文学cat's books
Review in English
本のまくらQUIZ
小説(my own works)
文学、books(海外)
未分類

以前の記事

2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
more...

フォロー中のブログ

おいらとJazzと探偵小...
ぐうたら日和
近所のネコ2
お母さんの味を忘れたくないから
Neko panchi ...
☆ねこにはかなわぬ☆
正方形×正方形
ネコは猫でも... (...
深夜を廻る頃・・・
気まぐれ感想文
光と影をおいかけて
畳ねこ
ねこ旅また旅
ネコと文学と猫ブンガク
猫、ネコ、Neko!! ...
なびかせろ!たてがみ
日々と木曜茶会と兎舎と
ビーズ・フェルト刺繍作家...
月猫にっき
くぼのジュエ
猫と文学とねこブンガク

最新のコメント

nobikunJ さま..
by stefanlily at 17:14
nobikunJさま ..
by stefanlily at 17:12
フォークナーを語らずして..
by nobikunJ at 18:19
イギリス映画というと真っ..
by nobikunJ at 18:10
鍵コメントさま こちら..
by stefanlily at 17:46
nobikunJさま ..
by suezielily at 15:52
marucox0326さ..
by suezielily at 15:49
計100本に目を通して、..
by nobikunJ at 10:36
こんにちわ。 「戦艦ポ..
by marucox0326 at 20:23
「旅芸人の記録」 ビク..
by stefanlily at 17:38

ご注意 notice

野球川柳、写真、英文記事等は無断転載禁止。 コメント下さった方、有難うございます

最新のトラックバック

芸術の秋2013
from シェークスピアの猫
映画ひと言コメント・は行
from シェークスピアの猫
映画ひと言コメント・な行
from シェークスピアの猫
映画ひと言コメント・な行
from シェークスピアの猫
映画ひと言コメント・た行
from シェークスピアの猫
映画ひと言コメント・た行
from シェークスピアの猫
映画ひと言コメント・た行
from シェークスピアの猫
映画ひと言コメント・か行
from シェークスピアの猫
へそくり (5)
from シェークスピアの猫
へそくり (6)
from シェークスピアの猫

ライフログ


Hatful of Hollow

検索

タグ

最新の記事

Faulkner「響きと怒り」
at 2017-07-17 16:11
松本清張「山峡の湯村」
at 2017-07-15 17:00
映画記事バックナンバー
at 2017-07-07 17:50
海外文学過去ログ
at 2017-07-06 17:59
音楽記事バックナンバー
at 2017-07-03 00:45

外部リンク

ファン

記事ランキング

ブログジャンル

音楽
映画

画像一覧

小島政二郎「眼中の人」

小島政二郎の「眼中の人」を読んだ。岩波文庫。
e0295821_1791652.jpg





以下、岩波のサイトより。
「緑147-1 体裁=文庫判 品切 1995年4月17日 ISBN4-00-311471-X
年少より鴎外・荷風に傾倒していた著者(一八九四―一九九四)が,芥川竜之介や菊池寛の知遇を得て文学に開眼してゆく経緯を描いた自伝的長編小説.文学修業の途上で自分を啓発してくれた人々をつねに眼中にあって忘れられない人として語る大正文壇史でもある。鈴木三重吉や『赤い鳥』にまつわるエピソードも興味深い。 (解説 大河内昭爾)」
あ、そうか。現代の日本文学は緑色だ。
 以下、本文より抜粋。
「(略)芥川は、二尺の紫檀の机を前にして坐っていた。小さな長火鉢には、鉄瓶が白い湯気を静かに立てていた。(略)フランシス・ギリヤーソン風に髪の毛を乱した芥川の、額の広い秀麗な顔が、青い空気の中に白く浮き出していた。(略)女のように長い睫毛が、秀麗な容貌に一抹の陰影を添えていた。
『こりゃタダモノではない』
(略)こんな素晴らしい顔をした人間にこれまで私は逢ったことがなかった。(略)
その間にも、後から後から来客があって、忽ち書斎が一杯になってしまった。主人は、誰に向っても万遍なく話題を持っていた。時には、機智を交えて議論を上下した。」
 「(略)私はロマン・ローランに感謝しなければならない。地震の前後にもし私が『ジャン・クリストフ』を読んでいなかったら、これだけの気概をもって窮迫に立ち向うことは恐らく不可能であったろう。(略)これも実は芥川の賜物の一つだった。(略)
英訳で四巻、一七〇五ページの長篇を一週間で読み通したという芥川の読書力に驚嘆すると同時に、そんな面白いものが、どうして俺には二、三十ページしか読めないのだろうと訝しかった。
(略)
『あ、あいつは最初の六十ページばかりが退屈だ。 六十ページばかり飛ばして読んで見たまえ。 ゴットフリートといったかな、ジャンの叔父さんの出て来るあたりから俄然面白くなるから――』
(略)
『性格も、境遇も、何から何までみんな違うよ。しかし、ジャン・クリストフは、ベートーヴェンをモデルにして書かれたものだといわれている。』
芥川は私に『ジャン・クリストフ』を是非読めといって勧めた時、最後にそう云い添えることを忘れなかった。」
「菊池寛の小説は、なぜ人を打つのか。お前の好きな、洗練された芥川の小説よりも、不洗練な菊池の小説の方が、なぜ人を打つのか。芥川崇拝のお前でさえ、近頃は菊池の小説により強く打たれている事実をおまえは何と見るのか。」
「菊池は仕上げの美しさなんかさして狙っていないのだ。仮象の世界であることなんか忘れたように、人生の真を、人間性の真を、ちぎっては投げちぎっては投げしているのだ。日常生活の中から一つのテーマを発見して、蕪雑な日常語でこれを語っているに過ぎない。そのテーマが、人生の読み方が、斬新なのだ。斬新なばかりではない。深いのだ。人間性の真を読む目は、仮借なく辛辣で、しかも底に暖かい人情が流れているのだ。彼の――いわゆる『啓吉物』が、人を打つ所以であろう。
あのどこを見ているのか分らないような目のどこに、この天分が宿っているのだろうか。あの粗い皮膚のどこに、この天才が宿っているのだろうか。彼の肉体のうち、芸術家らしいのは、あの肉の厚い、女の手のように柔らい手だけだろう。彼の手の持っている曲線は、芸術家以外の感覚ではない。いや、もう一つある。それはあの福耳だ。しかし、これは芸術家を感じさせはしないけれども、異常は確かに異常だった。」
「夢中で口走っているのが、 『源平盛衰記』 やシェークスピアであるのを知って、私は、菊池の読書が上ッ面のものでなくて、本当に心読しているのに敬服した。 この時くらい彼の正体を見たと思ったことはなかった。 なんに掛けても、自分などの遠く及ぶところでないといよいよ兜を脱いだ。」
 読みどころは他にも、たくさんある。
鈴木三重吉が妻のらく子に対する暴力で、らく子夫人が政二郎の元へ逃げてくる。政二郎は彼女の妹を妻にしたい、と以前から鈴木夫妻に申し入れていたこともあり、その幼い淡い気持の描写から、突然生々しい場面が登場するので、「あれ、この旦那よりもうんと若い奥さんは、妹の許婚とどうにかなっちゃうのか」と勘違いしたくらい。
鈴木三重吉の童話・童謡の児童雑誌「赤い鳥」というと、林真理子の「本を読む女」にも登場する。
林さんの母上の青春時代を描いた小説だが、幼少時より秀才だった少女は、綴り方(作文)が新聞に掲載され、鈴木三重吉にも絶賛されるという名誉にあずかる。そのイメージがあったので、「あらー。そんな暴力男だったのか」と驚いた。
まあ、童話も童謡も、なかなか過激な内容の作品が多いから、書き手が穏かな人間とは限らないのかも。

中野翠氏いうところの「顔文一致」であることよ。
菊池寛の「真珠夫人」にも、芥川と思しき人物が登場する。ヒロインである瑠璃子のサロンに集まる男たちが交わす文学談義の場面が、そうである。明治時代第一の文豪は誰かという議論であるが、その場面だけを何度も読み返すくらいに面白い。
「真珠夫人」は徹底した通俗小説であるのに、そこだけ大正の文壇が明治の文壇を批評している感が。
広津和郎の「同時代の作家たち」もお勧め。別の作品で宇野浩二を斉藤茂吉の脳病院に入院させようとして、結局別の病院を紹介されるという文壇オールスターといった内容もあった。そのとき、付き添ったのが広津と芥川龍之介。宇野は回復し、芥川は…というのは周知の事実。
芥川と菊池寛の作品は、ネット上の「青空文庫」でも読める。著作権の期間が変わったので、今まで「青空文庫」で読めた作家の作品が、読めなくなることも今後、あるかもしれないので要注意。
没後五十年だから、そのうちアップされるかと思っていた作家があと二十年待たなくては、というケースもあるだろうし。
 そうは言っても、芥川作品は書店にも図書館にも書架に多く並べてあるからね。貢献度からいったら、それ以上かもしれない菊池寛の作品がそうではないのが、困る。憤りの念を禁じえない。「青空文庫」の入力ボランティアの皆様、頭が下がる思いです。
e0295821_1794484.jpg

e0295821_1795560.jpg

e0295821_17102062.jpg

e0295821_17103341.jpg

e0295821_17104480.jpg

眼中の人 (岩波文庫)

小島 政二郎 / 岩波書店


翻訳問答 英語と日本語行ったり来たり

片岡 義男 / 左右社


翻訳問答2 創作のヒミツ

鴻巣 友季子 / 左右社


[PR]
by stefanlily | 2016-04-05 17:08 | 文学、books