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吉村昭「戦戦兢兢」
吉村昭「私の好きな悪い癖」のなかの、「戦戦兢兢」より抜粋。
「 二年ほど前、編集者の坂下裕明さんが、(略)会いたい、と言った。
(略)かれは思いがけぬことを口にした。
私は、小説の資料調査でお世話になった方からの依頼で講演をすることもあるが、近代文学館主催の(略)尊敬する作家について話したことが何度かある。
(略)坂下さんは聴衆席に坐って、私の講演を必ずきいていたという。(略)かれは、平凡社で新書創刊の企てがあり、その一書に私の文芸公演の内容を活字におこして出版したいのだ、という。
(略)作家論は文芸評論家の領域にぞくすもので、評論家の素質も兼ねそなえた川端康成氏や三島由紀夫氏ならまだしも、小説のみを書きつづけてきた私などに、そのようなものを出す資格はない。」
「 ふと、思いがけぬことが胸に浮んだ。それは、『季刊分科』という文芸誌で大河内昭爾、秋山駿両氏と『文学のゆくえ』という題で鼎談した折の記憶であった。(略)私は三島由紀夫のことについて、こんなことを語っている。
『[金閣寺]は三島さんの絶頂期に作品ですね。見事な傑作ですが、あのあと[鏡子の家]というのをお書きになって、前後二冊の単行本で出されたが。前編を買って五分の一ぐらいでやめちゃった。[金閣寺]の文章とは違うし、内容もだらけていた。』
『金閣寺は傑作だけど、あの中に、確か[しみじみ]という言葉があったんだ。あれ、僕は嫌だったな。あの人が[しみじみ]って書いちゃいけないんじゃないかと』
この感想について、秋山氏は酩酊していただろうが、面白いといった類のことを繰り返し口にした。」
「鏡子の家」については、まあ、定説である。
三島自身は相当力を入れて執筆したようだが、評判は良くないし、それが相当こたえていたようだ。澁澤龍彦の「三島由紀夫おぼえ書き」では対談相手と褒めていたが、彼らぐらいだと思う。最後の、犬が登場する場面を特に褒めていたのが印象的であった。
「 二年ほど前、編集者の坂下裕明さんが、(略)会いたい、と言った。
(略)かれは思いがけぬことを口にした。
私は、小説の資料調査でお世話になった方からの依頼で講演をすることもあるが、近代文学館主催の(略)尊敬する作家について話したことが何度かある。
(略)坂下さんは聴衆席に坐って、私の講演を必ずきいていたという。(略)かれは、平凡社で新書創刊の企てがあり、その一書に私の文芸公演の内容を活字におこして出版したいのだ、という。
(略)作家論は文芸評論家の領域にぞくすもので、評論家の素質も兼ねそなえた川端康成氏や三島由紀夫氏ならまだしも、小説のみを書きつづけてきた私などに、そのようなものを出す資格はない。」
「 ふと、思いがけぬことが胸に浮んだ。それは、『季刊分科』という文芸誌で大河内昭爾、秋山駿両氏と『文学のゆくえ』という題で鼎談した折の記憶であった。(略)私は三島由紀夫のことについて、こんなことを語っている。
『[金閣寺]は三島さんの絶頂期に作品ですね。見事な傑作ですが、あのあと[鏡子の家]というのをお書きになって、前後二冊の単行本で出されたが。前編を買って五分の一ぐらいでやめちゃった。[金閣寺]の文章とは違うし、内容もだらけていた。』
『金閣寺は傑作だけど、あの中に、確か[しみじみ]という言葉があったんだ。あれ、僕は嫌だったな。あの人が[しみじみ]って書いちゃいけないんじゃないかと』
この感想について、秋山氏は酩酊していただろうが、面白いといった類のことを繰り返し口にした。」
「鏡子の家」については、まあ、定説である。
三島自身は相当力を入れて執筆したようだが、評判は良くないし、それが相当こたえていたようだ。澁澤龍彦の「三島由紀夫おぼえ書き」では対談相手と褒めていたが、彼らぐらいだと思う。最後の、犬が登場する場面を特に褒めていたのが印象的であった。
by stefanlily
| 2015-02-02 16:05
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